本の感想:ミシェル・ウエルベック 「プラットフォーム」

 

 

刊行された2001年と2022年現在のメディア環境の違いも、この本の感想に大きく影響している気がしてきた。

2001年はインターネットはあったが、ホームページなんかは全く一般的ではなく、市井の人々の意見をフィルタリング無しで読むことは殆どできなかった。テレビや雑誌では良くも悪くも建前が尊重されていた。2022年現在はSNSで露悪的な意見や露骨な「本音」が溢れかえっている。結果的に、刊行当時よりも凡庸に思えてしまうんだろう。