なんで在宅勤務を嫌がるのか(弊社の場合)

コロナウイルス感染症の拡大を受けて、勤め先でも再び在宅勤務をすることになった。業務はデータをやり取りするだけで出社が必要ではない上、通勤もないしベッドで昼寝ができるし、在宅勤務で私は嬉しい。

ところが、上司に「在宅勤務をずっと続けていると浦島太郎状態になっちゃうから、定期的に出社してね」と言われた。浦島太郎状態とは?と聞くと「社内の様子とか他の人がなにやっているのか、わからなくなるでしょ?」と返された。

驚いた。なぜなら、私は出社しててもわからないからだ。同僚は勤務時間中ほぼパソコンに向かっていてデータのやり取りがほとんどなので、忙しいとデスクに書類が増える、みたいなことがない。業務の進捗を知らせるようなツールも社内にない。予定帳もクラウドサービスを利用しているので、在宅勤務でも予定が多いか少ないかはわかる。出社してわかることはせいぜい同僚がいるかいないかくらいのものだ。

驚くと同時に、なんで自分の職場で進捗管理ツールが根付かないのか、なんでぎりぎりになるまで在宅勤務をやらないのか、もわかった。上司は(もしかしたら同僚の多くは)出社して社内を見ることで、業務の忙しさがわかる、と思っているからだ。本当にわかっているのかもしれないし、わかっていないかもしれない。でも、わかっていると思うから進捗管理ツールを使おうという動機がない。仕事をやっている場所が遠隔になると働いている様子を見ることができないので、在宅勤務を嫌がる。

そういう経緯があるので、うちの会社では各人の役割とかプロジェクトの想定進捗とかをもとに業務を割り振ったりする仕組みがない。このままのマネジメント体制で在宅勤務をすることで、やるべき業務が過大に積み上がったりサボっていないことを上司に示すためにオーバーワークになる同僚が出そうで心配だ。そういうことを管理することも含めて管理職というのはいると思うのだが……。