無限に配慮しなくてはならないか?

今、Twitterで嵐のファン(あんまり嵐のファンだと言いたくないような人種ですが)がチケット当選の喜びのツイートをしている人たちを攻撃していると話題です。

「落選した人の気持ちを考えろ!」嵐ライブツアーのチケット当選者の報告ツイートに、ファンから非難殺到中 - NAVER まとめ

 

「~~の気持ちを考えろ」最近この言葉の効力というか威力が無制限に上昇している気がします。この一文で攻撃すれば相手が倫理観のない人間だと断定できそうな感じです。

 

しかし、これは無限の射程を持つ批判なのです。何かをする度にそれに傷つく人を想定するのは難しくありません。「Twitterなんかやりやがって、そういう時間も金もない人の気持ちを考えろ」「嵐のファンクラブに入りやがって、それを出来ない人の気持ちも考えろ」あらゆることに傷ついている人を仮定し攻撃できます。この論理で行くとTwitterではどこに行くという表明もダメ(いけない人がいるから)、音楽や映画の感想もダメ(聴けない、見れない人がいるから)、物を買う話もダメ(買えない人がいるから)。何も喋れなくなります。というか誰が何に対して傷つくのか事前には分からない以上、あらゆる行動は制限されます。

そしてなぜだかこの批判は妙な説得力を持っています。「おもいやり」「気遣い」という名目で他者を攻撃しているのに。

 

なのでいい加減匿名の傷ついた他社を持ちだして批判するのはやめましょう。自分がムカつくなら「お前の言ってることむかつくんだよ」と言えばいい。自分じゃ不安だからって大文字の他者を呼び出すのはやめよう。それは大変にずるい。

Jリーグ2シーズン制に反対する~改善案編~

9月17日、2ステージに移行が正式決定した。が、きちんと反対するためにもやはり改善案を書きたいと思う。この改革案は2013年現在のJリーグの制度を引き継ぐものとする。

ポイントは3つ

①ライト層がJリーグに触れる機会をもっと増やす

②スタジアムに来る楽しさを増やす

③海外にファンを広げる

 

①ライト層がJリーグに触れる機会をもっと増やす

とにかく現状日本人の殆どはJリーグに興味が無い、というよりよく知らないというのが現実である。なのでまずJリーグに触れて貰う機会を増やす。

まずはネット環境の拡充である。Jリーグに興味を持ってくれても、ネット上に動画がなければそのまま興味を失っていくだろう。現在は本当にしょぼいyoutube公式チャンネルしかないのでこれを改める。まず、映像権をMLBのようにJリーグで管理する(自由に使用できる権利を持つ)。その上でニコニコ動画youtubeに公式チャンネルを設置、節ごとのハイライトやゴラッソを集めた映像なんかを配信する(できれば解説付き)。そしてニコニコ生放送USTREAMで注目の試合を生放送。スカパー!とかぶってしまうという問題はあるが、新日本プロレスもこれを行っているので交渉して可能にしてほしい。HPも拡充し、サッカー初心者やJリーグ初心者のための解説ページや今週の注目試合、注目選手などを公式で発表し、初めての人でも参加しやすい環境にする。Jリーグアウォードで表彰される選手たちはJリーグのトップクラスの選手だし、代表選手も多いだろう。なので公式チャンネルでベストイレブンの選手、MVPの選手のプレー動画と得点王の全得点シーンを流す。

次はテレビである。テレビ離れが囁かれているが代表戦を見る限りテレビの影響力は高い。なのでテレビでも積極的に動画を流す。まず、代表戦を中継する曲にはJリーグの試合を何節か生放送することを義務付ける。また、地方局に対してはホームタウンを含むチームの試合である限りホーム・アウェイ関わらず放送権料を格安にして、試合を生放送してもらう(例えばテレビ山梨ヴァンフォーレ甲府の試合を格安で放送できる)。現在の柿谷のように代表での活躍がクラブに還元するということもあるので、この流れは大きくしていきたい。また、スポーツニュース等で放送されやすくするために開催日を分散させる。金、土、日を中心に分散させることで各試合毎の放送を増やす。

さらに、街中にもJリーグを浸透させる。現在ある各クラブのショップの制限などを撤廃する。またロゴの使用制限も緩和する。

このように一般人がJリーグの映像やクラブについての情報になんとなくでも触れることが大事だ。

②スタジアムに来る楽しさを増やす

それなりに好きになってくれたら次はスタジアムに足を運んでもらう。ここでお客さんを掴みたい。

まずはJFAなども支援しながらになるが、規模は小さくてもいいから出来る限り専用スタジアムを作りたい。やはりサッカーの臨場感や熱さを至近距離で体感することがリピートにつながる。そのためには専用スタジアムが欲しい。また、臨場感のためには選手たちのプレーの質を落とさないことも重要になる。なのでベスメン規定を廃止、酷暑の夏場には給水タイムを設けるなどしてプレーの質を向上させる。

サッカーに興味が無い人を惹きつける手段も必要だろう。私は出来るならショッピングモールなどと併設させることで家族連れが来やすい動線を作ったほうがいいと思う。また、スタジアムグルメの美味しさなどもHPやSNSで宣伝し、サッカーを見る以外の楽しさもあることを周知すべきだ。また、J加盟クラブのホームスタジアムに共通の電子マネーを導入し小銭の支払いのストレスを無くす、育児室などを併設し子供連れでも安心して観戦が楽しめるようにする、などのホスピタリティ向上も目指して欲しい。

また、日にちを分散して開催すれば、土日は仕事があるような職場環境の人たちにもアピールできると思う。

③海外にファンを広げる

 グローバル戦略も発展させるべきだ。香川や本田の活躍で日本サッカーに対する注目が高まっている。また東南アジア諸国が経済発展を遂げることで市場も広がっている。このチャンスを逃さず海外にもJリーグのサポーターを増やしていきたい。

そのためには現在の春秋制を続行したい。なぜならば秋春制では豪雪地域をホームタウンにもつクラブのゲームが難しいこと、そして欧州の人気リーグが秋春制なため、欧州がリーグ戦をやらない間、Jリーグではやっているという状態になり、客の喰い合いをせずに済むからである。欧州のリーグをメインに見つつも、目当てのリーグが休養期間の時はJリーグを見る、というサイクルならば新規参入も多いだろう。また海外のファンへの敷居を低くするために当然1シーズン制だ。SNSでの積極的なアピール、youtube公式チャンネルの英語放送など海外向けのサービスも拡大させたい。

海外に本格的に進出することを考えればスポンサーの外資開放は積極的に行うべきだ。多くの日本人が香川の活躍でブンデスリーガを見始めたように母国の選手が戦っていれば、そのリーグを見る可能性が高い。一定以上の人間が見るとわかればスポンサーが付く可能性も高いのではないか。

 

 

 

現在Jリーグは難しい局面に入ったと思う。開始当初のバブルは弾け、景気の低迷でスポンサーは減り、娯楽の多様化でサッカー観戦の順位は低く、欧州や南米のように生活の一部にサッカーが入り込んではいない。しかし、明るい材料もある。代表人気はサッカーを知らない層を取り込むきっかけになっているし、一部の国のようにサッカースタジアムが危険な場所ではなく、誰と来ても問題ない楽しいスポーツの場だ。平均入場者数も世界トップ10には入っているし、なにより20年の努力を経て次々と新しい才能が芽生えてきている。だからこそ、この魅力を最大限に生かし、スタジアムを新規から古参までのサポーターでいっぱいにするようなアイデアを考え、実行して欲しい。

 一般的な休日の過ごし方としてカラオケやディズニーランドショッピングモールと同じ位置にJリーグ観戦があるようになればいいと願う。

Jリーグ2シーズン制に反対する~改善案編~

9月17日、2ステージに移行が正式決定した。が、きちんと反対するためにもやはり改善案を書きたいと思う。この改革案は2013年現在のJリーグの制度を引き継ぐものとする。

ポイントは3つ

①ライト層がJリーグに触れる機会をもっと増やす

②スタジアムに来る楽しさを増やす

③海外にファンを広げる

 

①ライト層がJリーグに触れる機会をもっと増やす

とにかく現状日本人の殆どはJリーグに興味が無い、というよりよく知らないというのが現実である。なのでまずJリーグに触れて貰う機会を増やす。

まずはネット環境の拡充である。Jリーグに興味を持ってくれても、ネット上に動画がなければそのまま興味を失っていくだろう。現在は本当にしょぼいyoutube公式チャンネルしかないのでこれを改める。まず、映像権をMLBのようにJリーグで管理する(自由に使用できる権利を持つ)。その上でニコニコ動画youtubeに公式チャンネルを設置、節ごとのハイライトやゴラッソを集めた映像なんかを配信する(できれば解説付き)。そしてニコニコ生放送USTREAMで注目の試合を生放送。スカパー!とかぶってしまうという問題はあるが、新日本プロレスもこれを行っているので交渉して可能にしてほしい。HPも拡充し、サッカー初心者やJリーグ初心者のための解説ページや今週の注目試合、注目選手などを公式で発表し、初めての人でも参加しやすい環境にする。Jリーグアウォードで表彰される選手たちはJリーグのトップクラスの選手だし、代表選手も多いだろう。なので公式チャンネルでベストイレブンの選手、MVPの選手のプレー動画と得点王の全得点シーンを流す。

次はテレビである。テレビ離れが囁かれているが代表戦を見る限りテレビの影響力は高い。なのでテレビでも積極的に動画を流す。まず、代表戦を中継する曲にはJリーグの試合を何節か生放送することを義務付ける。また、地方局に対してはホームタウンを含むチームの試合である限りホーム・アウェイ関わらず放送権料を格安にして、試合を生放送してもらう(例えばテレビ山梨ヴァンフォーレ甲府の試合を格安で放送できる)。現在の柿谷のように代表での活躍がクラブに還元するということもあるので、この流れは大きくしていきたい。また、スポーツニュース等で放送されやすくするために開催日を分散させる。金、土、日を中心に分散させることで各試合毎の放送を増やす。

さらに、街中にもJリーグを浸透させる。現在ある各クラブのショップの制限などを撤廃する。またロゴの使用制限も緩和する。

このように一般人がJリーグの映像やクラブについての情報になんとなくでも触れることが大事だ。

②スタジアムに来る楽しさを増やす

それなりに好きになってくれたら次はスタジアムに足を運んでもらう。ここでお客さんを掴みたい。

まずはJFAなども支援しながらになるが、規模は小さくてもいいから出来る限り専用スタジアムを作りたい。やはりサッカーの臨場感や熱さを至近距離で体感することがリピートにつながる。そのためには専用スタジアムが欲しい。また、臨場感のためには選手たちのプレーの質を落とさないことも重要になる。なのでベスメン規定を廃止、酷暑の夏場には給水タイムを設けるなどしてプレーの質を向上させる。

サッカーに興味が無い人を惹きつける手段も必要だろう。私は出来るならショッピングモールなどと併設させることで家族連れが来やすい動線を作ったほうがいいと思う。また、スタジアムグルメの美味しさなどもHPやSNSで宣伝し、サッカーを見る以外の楽しさもあることを周知すべきだ。また、J加盟クラブのホームスタジアムに共通の電子マネーを導入し小銭の支払いのストレスを無くす、育児室などを併設し子供連れでも安心して観戦が楽しめるようにする、などのホスピタリティ向上も目指して欲しい。

また、日にちを分散して開催すれば、土日は仕事があるような職場環境の人たちにもアピールできると思う。

③海外にファンを広げる

 グローバル戦略も発展させるべきだ。香川や本田の活躍で日本サッカーに対する注目が高まっている。また東南アジア諸国が経済発展を遂げることで市場も広がっている。このチャンスを逃さず海外にもJリーグのサポーターを増やしていきたい。

そのためには現在の春秋制を続行したい。なぜならば秋春制では豪雪地域をホームタウンにもつクラブのゲームが難しいこと、そして欧州の人気リーグが秋春制なため、欧州がリーグ戦をやらない間、Jリーグではやっているという状態になり、客の喰い合いをせずに済むからである。欧州のリーグをメインに見つつも、目当てのリーグが休養期間の時はJリーグを見る、というサイクルならば新規参入も多いだろう。また海外のファンへの敷居を低くするために当然1シーズン制だ。SNSでの積極的なアピール、youtube公式チャンネルの英語放送など海外向けのサービスも拡大させたい。

海外に本格的に進出することを考えればスポンサーの外資開放は積極的に行うべきだ。多くの日本人が香川の活躍でブンデスリーガを見始めたように母国の選手が戦っていれば、そのリーグを見る可能性が高い。一定以上の人間が見るとわかればスポンサーが付く可能性も高いのではないか。

 

 

 

現在Jリーグは難しい局面に入ったと思う。開始当初のバブルは弾け、景気の低迷でスポンサーは減り、娯楽の多様化でサッカー観戦の順位は低く、欧州や南米のように生活の一部にサッカーが入り込んではいない。しかし、明るい材料もある。代表人気はサッカーを知らない層を取り込むきっかけになっているし、一部の国のようにサッカースタジアムが危険な場所ではなく、誰と来ても問題ない楽しいスポーツの場だ。平均入場者数も世界トップ10には入っているし、なにより20年の努力を経て次々と新しい才能が芽生えてきている。だからこそ、この魅力を最大限に生かし、スタジアムを新規から古参までのサポーターでいっぱいにするようなアイデアを考え、実行して欲しい。

 一般的な休日の過ごし方としてカラオケやディズニーランドショッピングモールと同じ位置にJリーグ観戦があるようになればいいと願う。

Jリーグの2シーズン制に反対する~反論編~

Jリーグが2シーズン制になることについてようやくJリーグ幹部の生の声が聞けた。

[緊急インタビュー]Jリーグ、2ステージ制導入の真意を問う 中西大介(Jリーグ競技・事業本部長インタビュー) – サッカーキング

とはいえこのインタビューを見ても疑問は多い。なのできちんとこの記事で反論したい。また、反論するだけでは生産性がないので後の記事できちんと自分なりの改革案を提示したい。

前提として現在Jリーグ側が抱いている危機感は共感できる。Jリーグのスタジアムに訪れるサポーターの平均年齢が毎年1歳づつ上昇している、つまりファン層が拡大していないということは今後の発展の上で非常に良くない。きちんと新規開拓をすべきだということは私も感じている。ただ一方でその手段として今回の改革が正しいのかどうかは疑問だ。かつて廃止した2シーズン制という制度を復活させるにはその後押しとなる強い根拠が不可欠である。しかし。それがあるとは思えない。以下に問題と思う部分を示す。

アンケートが参考資料にならない

かつてJリーグは2ステージ制を導入していたが年間総合勝ち点が一位でもチャンピオンシップに出場できなかったり、両ステージ完全制覇でチャンピオンシップが行われないなどの事態が起こり、1ステージに戻された。また、サポーターからも不評だった(ステージ優勝ではあまり達成感がないなど)。今回2ステージを導入するからにはその欠点を克服し、導入するべき理由を明示しなくてはならない。

しかし、この記事において論拠の一部とされているアンケートが実に曖昧だ。「ポストシーズン制に対する評価」と題されたアンケートを行ったと言っているが質問文が載っていないため何をどのように質問したかがわからない。アンケートは質問文や質問の順番によって結果が左右されやすい。そのため何を聞いたのかが明らかでなければ参考にできない。きちんと現在の制度を示して質問したのか、それとも漠然と「2ステージ制をどう思いますか」と質問したのか。それによってこのアンケートの意味は変わってくるだろう。

また「(スタジアムに行くのが)10回以下の方は賛成の方が統計的に多い」とされているが計算してみると賛成票は10回以下の人たち全体(59566人)のうちの約5.4%(3238人)、反対は5.1%(3063人)。殆ど差はないと言え、新規の人を呼び込むために2シーズン制を採用すべきという積極的な理由にはならない。

地上波テレビ放送の露出を増やす手段として適当とは思えない

インタビューにおいてはテレビの露出が少ないことが挙げられ、その改善策として「わかりやすい」優勝決定戦が必要だという論理になっている。確かに代表選手の報道の多さやメディアの取り上げられ方を見ると地上波テレビの重要さは理解できる。

しかし、レギュレーションを変更しなくてもできることはあるのではないか。例えば、Jリーグの生放送は現在スカパーがほとんどを行っている状態だが、ホームタウンを含む県に限り安価で放送権を与える、代表戦の生中継の権利とJリーグの生放送の契約を一括で民放各局と契約する、など。百年構想にのっとれば地上波で全国区で放送することよりもクラブのホームタウンの人たちにクラブが浸透していくほうが優先であると思う。

第一視聴率がどれくらいに達する見込みなのかも公表されていない。現在のJリーグの人気は野球のパ・リーグよりもないだろう(平均入場者数はJリーグ15000程度、パ・リーグは20000以上)。そのパ・リーグクライマックスシリーズですら視聴率がひとケタ台、最高で10%という現状なのだ。Jリーグ人気を考えるとこれを超えるとは思えない。そんな視聴率で多くのスポンサーがついたり放送権料が大量に入ってきたりするのだろうか? ここもJリーグ側の説明が全くない。

テレビ視聴者をスタジアムに運ぶ動線が不明瞭

このインタビューでは「スタジアムに足をファンを一番重要視」「平均入場者数が2万人を超えたら1リーグに戻す」などスタジアムに来てもらうことを最重要していることがわかる。しかし、今回の施策案では「テレビで優勝決定戦を見た人がスタジアムに足を運ぶ」という根拠に乏しい。もしそれが本当であればかつて2シーズン制が行われていた時に入場者数は増え続けていたはずだが、そういった数字は示されていない。

新規参入を促す名目なのにルールが煩雑

今回の決定は新規参入者増加のための施策のはずだ。しかし今回の決定で新規の人には更に敷居が上がったように思う。

今回の案では前期後期の1位と2位、さらに年間最多勝ち点を加えてトーナメントをするという。非常にわかりにくい上に、これらのチームの複数がかぶる(例えば前期1位と後期2位)可能性は大いに考えられる。その時にどのようにトーナメントを組むのか、といったことも全くクリアになっていない。その度にトーナメントを組み直していては毎年トーナメントの組み合わせが変動することになり大変に煩雑だ。ただでさえナビスコカップや天皇杯などもあって初心者には「今これがどういった意味を持つ試合なのか」がわかりづらいのに、それをさらに複雑にして新規参入が増えるとは考えづらい。

さらにインタビューでは「1リーグ制が一番いいと思っている」などの1リーグに戻るような発言もかいま見える。ライト層がルールを覚えて新規参入したと思ったらまたルールを変更する、などということがあればファンは離れるのではないか。2シーズン制にするならば数十年単位でするという覚悟のもとで考えてほしい。ころころレギュレーションを変えれば優勝の重みもなくなってしまうからだ。

「優勝の重み」の矛盾

インタビューではタイトルを取る機会を増やして多くの地域に優勝の喜びをもたらしたい、という旨の発言がある。しかし、今回のレギュレーションでは最終的に優勝がトーナメントで決まるからこそライトな視聴者にも受け入れられる「わかりやすい」構図になるという狙いがあったはずだ。これは矛盾ではないだろうか。一方では優勝したチームの地域が喜ぶような重みのあるタイトルがあって、片方にはライトな視聴者が喜ぶようなトーナメントがある。シーズンごとの優勝を意義あるものにすればトーナメントをやる意味が薄れるし、トーナメントを重視すればシーズンごとのタイトルは軽くなる。この2つを両立するのは困難だ。

レギュレーションを変更する前にやれることはないのか

レギュレーションはリーグの制度の核だ。それを変更するにはやはりやれることはひと通りやりました、という印象がほしい。しかし残念ながらあまり感じられない。

例えば今回ナビスコカップのレギュレーションも変更し若手育成のために様々な新制度を導入することを考案している。しかし、サポーターや監督からも再三言われているように、ベストメンバー規定を変更すれば若手はカップ戦に出場しやすくなる。また、スポンサーの問題でも同じように、外資参入を許可すればアジアや韓国系のスポンサーがつくのではないか(せっかくベトナムの英雄レ・コン・ビンが札幌に入団した今がチャンスだと思う)。またクラブのロゴが入ったグッズの規制、オフィシャルショップの数の規制など様々な規制も撤廃できるのではないか。そういった努力を怠っているにも関わらず、根幹のレギュレーションを変更するというのはあまりに拙速だ。

 

Jリーグは提携を通してアジアへの市場拡大を目指している。にも関わらずワールドスタンダードではない2シーズン制を導入するからにはそれ相応の理由が求められるが、はっきり言って見当たらないのが現状だ。というよりJリーグ側が数字や概要を示さず密室的に決定しているためどういった流れでこの制度を導入したかが全く不明瞭だ。このような不透明な形で制度を変更することは信用低下を生む。信用低下はスタジアムの空席を生むだろう。仮にスーパーステージで優勝決定戦が放映されても、スタジアムが空席だらけだったら、その御蔭で今ひとつ盛り上がりに欠ける映像だったなら、果たして視聴者はまた見たいと思えるだろうか。

今回は反論ばかりを書いたので次回は自分なりの改善案を書きたいと思う。

 

みのもんたは番組に出続けるべきだ

みのもんたが自身の次男が犯罪を犯したとかで色々責められているが、全く不可解な話だ。

多少何日コメントを出すとかならともかく番組を辞める必要はない。30近い息子が何をするかなんて、みのもんたの管轄外だからだ。親の教育がーとかそういう意見もあるだろうが、親の犯罪がどんだけきちんとしてようが犯罪を犯す奴はいる。青少年ならともかく成人の犯罪に対して使っていいワードではない。

このタイプの「曖昧な責任で人を責めて贖罪の形を取らせる」というのがマスコミは好きだけどいい加減やめたら?と思う。取るべき責任とそうじゃないものをしっかり分けて欲しい。まあもし、みのもんたが自身の番組でこの手の批判をしていたのなら自業自得だな、と思うが。

Jリーグの改革はどのように進めるべきか

Jリーグの改革案についての議論が現在多く繰り広げられている。代表的なものは秋春制で(ここここを参考にして欲しい)15日にはかつて行われていた2リーグ制にする動きがある、とも報じられた(このまとめがわかりやすい)。

現在Jリーグは観客の平均動員数の減少に悩んでいます。J1では、震災の影響が大きい2011年はともかく、2012年の平均入場者数は17566人と2010年シーズンの平均入場者数18428人を下回っています。また、主力選手の海外リーグへの流出などの問題を鑑みてリーグの根本的改革を議論しているのでしょう。

 

私個人としては秋春制も2リーグ制も反対です。なぜか、それはJリーグの理念に反しているからです。

 

Jリーグには「Jリーグ百年構想」という指針があります。これは1996年にJリーグが定めたもので

「あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること」

「サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること」

「「見る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること」

という3つの指針からなっています。そして「地域に根ざしたスポーツクラブ」を広げることが大事である、ということが語られています。

仮にJリーグが制度変えるのであれば、変更は「百年構想の実現に近づけるかどうか」という基準で議論されるべきだと思います。

 

春秋制が問題なのは、冬にサッカーを行うことで地域に根ざしたスポーツクラブを作ることが難しくなってしまうからです。

現在Jリーグは20年が経ったとはいえ、まだまだ一般の認知度やコミットメントは低いでしょう。地域に根ざしたスポーツクラブのためにはさらなる浸透や新規のサポーター獲得が必要なはずです。そして日本の多くの地域の多くが冬季に積雪のある、ということは事実です。つまり、冬季に雪が降っているような環境で、いかにサポーターになってもらうか、を真剣に考えなくてはならないわけです。しかし秋春制に移行して冬にサッカーを行えばその可能性は著しく減ってしまうのではないでしょうか。サッカーにさほど詳しくない新規のお客さんが雪降る寒さの中何時間もベンチに座ってサッカー観戦を行なって、また来たいと思えるでしょうか?僕はムリだと思います。サッカーを行うインフラの問題の前に、人が増えない。このようなことで百年構想を実現することは出来るのでしょうか?地域の人達に愛されるようなクラブになるのでしょうか?難しいでしょう。

 

2リーグ制も「地域に根ざしたスポーツクラブを作る」という観点から見た場合疑問点が多い制度です。優勝の仕組みがわかりづらくなる上、序盤で優勝の可能性が消えてしまう可能性が高いからです(シーズンの試合数が少ないため)。また、リーグ優勝決定戦であるチャンピオンシップのテレビの視聴率が高いことが2リーグ制復活の一因とされていますが、視聴率が高いことが地域に根ざしたスポーツクラブの実現の指標になっているのでしょうか?むしろ地域と離れた人たちを対象としてお祭りとしての人気度の視聴なのではないでしょうか? Jリーグの人気が全国的に盛り上がれば結果的に視聴率が上がることもありうるでしょうか、一番の指標にすべきはスタジアムの席の埋まり具合や年間入場者数等だと思います。年間入場者数の平均が最高だった2008年が1リーグ制だったことを考えると、支持できません。


近年の改革の議論は「視聴率を伸ばす」「海外と時期を合わせて代表のスケジュールを組みやすくする」など、近視眼的な議論がなされることが多いように思います。しかし、Jリーグは百年構想という確固とした指針を持っているのですから、それを基準に制度や施策を考えていくべきです。

代表の国際的な成績と国内リーグの人気は比例しません。フランスは1998年のワールドカップで優勝しました。しかし、フランスの国内リーグであるリーグ・アンパリ・サンジェルマンの投資が行われるまで盛り上がりは今ひとつでした。現在世界のサッカーリーグの中で最多の動員を誇るのはドイツのブンデスリーガですが、ドイツがワールドカップやEUROなどの国際大会で優勝したのは2006年が最後です。人気の高いプレミアリーグがあるイングランドに至っては1966年です。百年構想は「強い日本代表を作る」という目標ではなく「地域に根ざしたスポーツクラブを作る」というものなのですから、リーグの活性化についてまずは考えて欲しいと思います。


百年構想を実現させるためには、「地域の人が地域のスポーツクラブのサポーターになってもらう」という方法しかありません。それを実現するために様々な施策を考えて欲しいと思います。