説得されるための時間

 

この記事を読んでとても「現代的だな」と思った。それは、本の筆者が「説得される」というプロセスがごく短時間で行われるものとみなしていること。事実と論理が示されたらすぐに説得されるはずだ、と考えているように見える。だからすぐに説得されないと「事実や論理では説得できない」という理屈になってしまうのではないか。

 

自分に置き換えて考えると、自分の意見を変えるというプロセスはもっと時間がかかるものだ。まず、説得してくる人や提示されたデータを疑って、そこから色々なデータに触れたりすることで徐々に説得されていく。「A

が正しい」から「Bが正しい」にすぐに移り変わるのではなく、その間には「Aが正しいと思ってるけど前よりも自身が無い」とか「Bが正しそうな気がしてきた」といった中間的な状態を経ている。意見が変わる時間は何週間とか何年とかそういう単位でかかる。

「説得して意見を変えるには時間がかかる」ということを頭に入れてコミュニケーションを取ることが、大事なのではないかと思う。