「読んでないけど馬鹿にする」でいいんじゃない?


私がラノベをバカにしている唯一の理由 - 360万パワー

 

ライトノベルに限らず、「特定のジャンルに対して表層的なイメージから批判すること」はそのジャンルの愛好者から逆に批判されます。もちろん愛好者が語る「もっと読んでから(勉強してから)批判しろ」という批判はわかるのですが、しかし、素人の口を塞ぐような言動はどうかな、と思います。もっとカジュアルに批判してもいいんじゃないかと。

 

はっきりいえば「ちゃんと批判できるほど知識を得る」というのは大変に高いハードルです。ライトノベルを「ちゃんと勉強しました」と言える読書量って多分50冊では利かない。何か意見をいうために何十時間もそのジャンルについての知識を蓄えないといけないとしたら、意見を言えるジャンルは非常に限られてしまう。

ジャンルに対する世間一般のイメージというのは間違っている可能性も大いにありますが、いわば「学習の省略」の機能を果たしていると考えられます。あらゆるジャンルに対して精通することが不可能だからこそ、詳しくない何かについて語るときには世間一般のイメージというものを踏み台にせざるを得ない。これはその人の怠慢ではなく、人間の認知的限界だと思います。

 

ですから「ライトノベルって子供っぽいよね」「ライトノベルって逆ハーレムものばかりなんでしょ?」という批判はアリです。ただ、その際に「自分は全く読んでないし、世間一般のイメージに即して語らせてもらうけど」というエクスキューズをつけ、詳しい人に事実関係の間違いを指摘されたら素直に受け入れる、という謙虚さがあって初めて成立する批判だとは思いますが。

 

「詳しくない奴は黙っていろ」という言説は原理的には「一番詳しい人以外意見を言えない世界」ということになります。それって息苦しくないですか?