サッカー年代別代表はPDCAを回していないから勝てないのではないか?


ドメサカブログ : 【AFC U-19選手権】日本は中国に競り負け黒星発進 南野スーパーゴールも実らず

残念ながら中国に負けてしまいました。コメントや試合を見ていると「日本の選手は技術は高いけど勝てない」というのが実情のようです。これは選手個人のスキルや心構えの問題じゃなくて「どういう形でゴールを取るか」という設計図を日本代表全体で共有できていない、という仮説が立ちます。これが事実ならばいくら試合をしてもPDCAが回せず、組織の能力が効率的に改善されません。

 

少し前の話になってしまいますが、なぜブラジルワールドカップを総括する雑誌の記事で面白い逸話を読みました。それによると、コートジボワール戦のあと、長谷部誠は「速いテンポで縦に素早く繋ぐサッカーこそ、自分たちが目指していたサッカーだ」という旨の発言をし、遠藤保仁は「横や後ろへのパスを多用してゆっくりでも崩しきるのが、自分たちが目指していたサッカーだ」という旨の発言をした、というものです。つまり、当時の日本代表が掲げた「自分たちのサッカー」=「攻撃的なパスサッカー」の中身が、個々人によって全く違うものとして捉えられていた、ということです。A代表の中心選手2人ですらこれなのですから、下の年代も推して知るべしといったところだと思います。

 

日本サッカー協会はもっときちんとPDCAを回すべきです。「攻撃的なパスサッカー」のような漠然とした、個々人によって解釈が可能なものではなく、もっと攻守においてディテールを突き詰めた戦術(例えば:4-4-1-1を基本としたコンパクトで最終ラインが高い守備ブロックを作り最前線を除く10人で厳しくチェックに行き、サイドでボールを奪う。奪ったら縦に速いカウンターをファーストチョイスにして、中盤の選手も含めた6人程度でパスをつなぎながらサイドを崩してゴールを奪う、とか)を監督や選手が共有しているのか?それを実戦で使用してみて組織的レベル、個人のレベルで何が足りなかったのか改善可能な形で把握しているのか?それを育成や次の試合に結び付けられているのか? そういった組織のブラッシュアップをやっているのかきちんと検証するべきではないでしょうか?試合やりました、負けましたでは選手も組織も何も成長しません。せっかく南野拓実を筆頭にして才能ある選手たちが揃っているのだから、是非有意義に対外試合を使ってほしいと思います。